Digital 6000シリーズは「使い勝手の良いDigital 9000シリーズ」
~導入によって広がるワイヤレス運用の可能性~
Digital 9000シリーズに続く新たなスタンダードシステムとしてのポジションを確立しつつあるDigital 6000シリーズ。ミュージカルのオペレーションを中心に、大規模ワイヤレスシステムを運用する株式会社ウッディランドの松岡様に、Digital 6000シリーズ導入の理由などをお伺いしました。
株式会社ウッディランド
1982年5月設立
社員数:10人
関西を拠点に約40年音楽制作の現場に携わり、レコーディングをはじめとする音響・録音業務を様々なジャンル問わずに行ってきました。
お客様のニーズにいかに高度なセンスと新鋭技術をもってお応えするかを年頭に、熟達した音響技術者を配し、これをベースとして、あらゆる音楽や音響スペースに対応すべく、優れた人材と起動力をもとに準備を整えております。
Web https://www.woodyland.info/
サウンド・エンジニア
松岡大輝様
撮影協力:セカンドステージ株式会社様
Web http://www.2ndstage.jp/
導入の経緯とシリーズによる音質の違い
Sennheiser:
御社の事業の概要、松岡様の普段の業務内容などを教えて下さい。
松岡様:
弊社の事業としては、大きく分けるとレコーディング部門とPA部門があります。レコーディング事業はスタジオレコーディングだけでなくライブレコーディングがあり、さらにそこから派生して配信の音声オペレートも行っています。
もともとはレコーディングの会社なのですが、40年くらい前になりますが、宝塚のミュージカル関連の業務を手掛けるようになってからPA部門が大きくなり、現在に至ります。
Sennheiser:
Digital 6000シリーズをご導入いただきましたが、導入前に使用していたワイヤレスシステムの概要を教えて下さい。
松岡様:
後ろに積んでありますが、5年以上前からDigital 9000シリーズを使っていました。現在も引き続き使用しています。セカンドステージさんのご協力を得て、ミュージカルに必要な40波〜48波クラスの規模で運用しています。導入当時は24波規模での運用でしたが、出演者が多くなる場合に対応するために増えていきました。一番多く使ったケースだと50波以上同時運用を行ったこともあります。
Sennheiser:
たくさんお使いいただきありがとうございます。大規模なシステムを運用されている中でDigital 6000シリーズを導入していただきましたが、その理由や経緯を教えて下さい。
松岡:
Digital 9000シリーズは8波単位になるので、41波とか、38波とか、中途半端な波数の場合でも1台(8波)増えてしまうんです。また、Digital 9000シリーズはフィルター設定がアンテナごとになるので、違うフィルターの設定を増やす場合にも1台(8波)増えてしまいます。
全国の劇場を回っていると、本当は4台で良いのにフィルターの都合で5台、6台になってしまうというケースが出てくるんです。受信機の台数が増えると限られた舞台袖のスペースを使ってしまいますし、何よりアンテナが増えてしまうんですね。
この運用を改善して小回りが効くようにしたいと考えたのがDigital 6000シリーズを検討したきっかけです。大きなエリアはDigital 9000シリーズで、小さなエリアはDigital 6000シリーズで運用することを考えていました。
Sennheiser:
Digital 6000シリーズの導入の際にはテストをしていただいたと思いますが、その際のインプレッションをお聞かせ下さい。
松岡:
最初に音を聞いた時は「意外と音が柔らかいな」と感じました。Digital 9000シリーズはクリアでとても良い音なんですが、カチッとした音という印象が強いんですね。Digital 6000シリーズはDigital 9000シリーズと比べるとちょっと柔らかいんです。
その後Digital 9000シリーズ、5000シリーズを運用している現場でテストする機会があったんですが、その現場のエンジニアは「硬すぎない」というコメントをしていました。Digital 9000シリーズと5000シリーズの間の音質だよね、というコメントが多かったように思います。クリアでS/Nもいいんだけど、硬すぎないという印象です。
最終的にはDigital 9000シリーズと確かに音は違うんですが、運用に支障があるようなレベルではなく目的は果たせる音という判断になりました。
小型と長時間駆動が生み出す利便性-SK 6212ボディパック
Sennheiser:
Digital 6000シリーズの中でも超小型ボディパックSK 6212をご導入いただきましたが、インプレッションをお聞かせ下さい。
松岡:
小型なんだけど、とにかくバッテリーが長持ちするんです。そこが一番重要なんです。例えば舞台稽古だと一日かかるので、従来の送信機だと途中でバッテリー交換が必要になるんですが、SK 6212だと13時間程度駆動できるので、バッテリー交換無しで使えてしまうんです。
また、従来から使っている送信機だと、長時間使うと熱くなってしまうんですが、SK 6212は気になるほど熱くならないんです。小さいとか、熱くならないとか、演者によっては衣装にも関係して来てしまう部分なんです。例えばSK 6212は小さいのでカツラの中に仕込むこともできてしまいますが、他の送信機では難しいですね。
あとはSK 6212は6dBのアッテネーターがついているんです。ボディパックは楽器に仕込む場合もあるんですが、-6dBアッテネーターがあると安心して使えます。また、受信機のLQIの表示が見やすいので、状況判断しやすいのもDigital 6000の良いところですね。
Sennheiser:
導入後に運用面においてDigital 9000シリーズとDigital 6000シリーズの差を感じる部分はありましたか。
松岡:
現場ではなく運用テストということであれば、厳しい環境で実験をするとDigital 9000シリーズの方が電波の安定性は良かったという結果が出ました。しかし実際の運用で大きな問題になるようなレベルでは無いですね。
Sennheiser:
Digital 6000シリーズを導入して良かったと感じるところを教えて下さい。
松岡:
とにかく手軽です。もちろんミュージカルの現場だけではなくて色々な現場があるんですが、ハンドヘルドが4チャンネル欲しいという場合でもDigital 9000シリーズを持っていっていたんです。Digital 6000シリーズだとDigital 9000シリーズと比較してかなりコンパクトなシステムで済みます。チャンネル運用もほとんど同じで使えるので、すんなりと導入できました。ワイヤレスシステム全体の運用方法が変わりましたね。かゆいところに手が届くDigital 9000シリーズという感じです。
Sennheiser:
Digital 6000シリーズが導入されたことで、今後試してみたい新たな運用方法があれば教えて下さい。
松岡様:
Dante接続でどこまでできるのかなどを試してみたいですね。色々と試してみたいことはあるんですが、導入してからずっと稼働しているのでなかなか試す機会がなくて困っています(苦笑)。
Sennheiser:
最後に、どのような方にお勧めできる製品でしょうか。
松岡様:
音質面だけでなく、価格、運用面、すべてにおいて5000シリーズとDigital 9000シリーズの中間になるので、双方の機種をお使いの方には良いと思います。5000シリーズをお使いの方は、ケースの奥行きさえ気をつければそのまま置き換えで導入できますよね。5000シリーズと比較するとS/Nは格段に良いので、イヤモニの場合でもノイズが気にならなくなりました。チャンネル運用もデジタルの方が楽ですし、5000シリーズをお使いの方はメリットが大きいと思います。
あとは弊社同様Digital 9000シリーズを運用している場合は小回りが効くようになるのでお勧めできますね。
Sennheiser:
本日はお忙しいところありがとうございました。
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