AVXはSENNHEISERの得意分野であるワイヤレスマイクロフォンやDECT伝送に関する技術が結集されて誕生したカメラ用ワイヤレスシステムです。今までカメラマンや取材クルーを悩ませていた受信機へのマウンティングや周波数設定、干渉対策などはなく、ストレス・フリーなワイヤレス運用を行うことが可能となります。
AVX特設サイト
カメラマンを強力にサポートする3つの要素
AVXにはカメラマンを強力にサポートする3つの要素があります。1つ目は受信機の驚くべきコンパクトさで、わずか87gの受信機はカメラのXLRオーディオ入力に直接取付けができ、セッティングの煩わしさを一掃します。
2つ目は1.9GHz帯を使用するDECTという通信方式を採用していることで、Wi-FiやBluetoothによる干渉を気にする必要がありません。もし干渉波が入ってきても自動で空いている周波数へ逃げてくれます。
3つ目は自動ゲインコントロール機能で、カメラの音声入力設定に自動で適応し音声出力を決定してくれます。もちろん調整も可能です。
コンセプト:ゼンハイザーのワイヤレスをもっと手軽に
AVXは数多くのSENNHEISER製品をご利用いただいている放送局を始めとするプロオーディオ業界の方だけでなく、より多くの方々にご利用いただくことを想定しています。
「展示会のリポートを編集しているジャーナリストも、ドキュメンタリーを撮っているプロの映像作家も、製品ビデオを作っているマーケティングの専門家も、AVXを使うことによって、よりクリエイティブな仕事に集中できるようになります。」
SENNHEISER社のブロードキャスト&メディア・ポートフォリオ・マネージャー、Sven Boetcherはこう解説します。
「ライセンスが必要なく、最適な周波数をはじめとした必要な設定はシステムがオートで行ってくれます。真の“使いやすさ”とはこのことでしょう。」
ラインナップ
<セット>
- AVX MKE2 Set:小型受信機、ボディパック送信機、ラベリアMKE 2のセット
- AVX ME 2 Set:小型受信機、ボディパック送信機、ラベリアME 2のセット
- AVX 835S Set:小型受信機、ハンドヘルド送信機のセット
- AVX COMBO Set:小型受信機(1台のみ)、ボディパック送信機、ハンドヘルド送信機(無指向カプセル)のセット
<受信機>
- EKP AVX-5-US: 小型受信機
<送信機>
- SKM AVX-835S-5: スイッチ付ハンドヘルド型送信機 (単一指向カプセル付属)
- SK AVX-5: ボディパック型送信機
*ラベリアマイクは付属しません。
仕様
・周波数帯域 1893-1906 MHz
・音声出力 XLR, ミニジャック変換プラグ付き
・動作環境 -10 °C - + 55°C
・信号雑音比 > 90 dB(A)
・RF出力パワー 10mW
・動作時間> 4h (受信機), 15 h (送信機リチウム電池使用時)
・変調方式 GFSK
・音声出力レベル -30 dBu ~0 dBu 10dBuステップ(4段階)
・電源 リチウムイオン 3,7 V DC
・ダイナミックレンジ > 120 dB(A)
・サンプリングレート 24 bit / 48 kHz
・ディレイタイム 19 m/s
関連リンク
・ニコニコ闘会議 現場レポート
シーン1
AVX
シーン2
AVX
運用上の注意
・AVXは1.9GHz帯を使用しています。この帯域での干渉源はDECT方式のワイヤレス製品、室内コードレス電話、PHSがあります。また800MHz帯といった低い周波数と比較して、電波の直進性が高いため、遮蔽物の影響を受けやすいです。人体をはじめとした様々な遮蔽が想定される実用では送受信機間を30m以内に保ち、特に屋外ではアンテナの見通しと遮蔽を意識して運用してください。
FAQ~よくあるご質問~
<システムについて>
Q 受信機は最大何波受信することができますか?
A AVXシステムは1台の送信機に対して1台の受信機が必要です。
Q 同時使用は最大何波ですか?
A 電波環境の極めて良好な場所で4波、実運用上は3波までの使用を推奨しています。
Q 電波の到達距離はどのくらいですか?
A 電波環境が良好かつ、送受信機アンテナの見通しが確保された状態で約30m飛びます。ただ留意点として電波の周波数高くなればなるほど直進性が高くなるので、B帯ワイヤレスほど回折性(障害物を回り込む力)に優れません。特に反射の望めない屋外でボディパックを使用する場合は極力アンテナの見通しを確保してください。
Q ME 2とMKE 2の違いは何ですか?
A ME 2はエントリーモデルながらアナログG3シリーズを筆頭に制作プロダクションにて実績があるマイクになります。そしてMKE 2は放送や舞台芸術の分野で今この瞬間も使用されているゼンハイザーのハイエンドピンマイクです。
より高いレベルの音声品質を求める場合には、自信をもってMKE 2をお薦めいたします。
Q ハンドマイクをワイヤレスで飛ばせますか?
A XLRバランス出力のダイナミックマイクであれば別売アクセサリー「CL 2」を使用してボディパック送信機に接続して使用することができます。
すべてのメーカーのダイナミックマイクとの互換性は保証しかねますが、「e 835」や「MD 42」などゼンハイザーのハンドマイクであれば問題なく動作いたします。
Q ミキサーアウトなどラインレベルの音声を送信機に入力して飛ばせますか?
A 送信機はマイクレベルを想定してオートコンプレッションが常に作動しています。ラインレベル信号は過大入力として圧縮されSN比悪化の原因となりますので、その場合はミキサーなどの出力をマイクレベルまで落としてください。
<バッテリーについて>
Q リチウムバッテリーの駆動時間は何時間ですか?
A 送信機はボディパック型・ハンドヘルド型ともに約15時間、小型受信機は約4時間です。
Q バッテリーの充電にはどのくらい時間がかかりますか?
A バッテリーの満充電に必要な時間は付属のACアダプタ、USBケーブルを使用して、送信機用バッテリーBA 10・BA 30は約4時間30分、受信機用バッテリーBA 20は約1時間15分です。
Q USBチャージャーで充電しながら使用することはできますか?
A 小型受信機は可能です。送信機はUSBに接続すると電源がオフになります。
<その他>
Q 海外へ持ち出すことができますか?また海外から持ち込むことはできますか?
A 日本で発売されているAVXは日本の規制に準じて製造・販売されています。
持ち出しに関しては、国や地域によってDECT機器に割り当てられている周波数帯域をはじめとした規制が異なるため、国外での日本版AVXの使用可否は保証できません。
また現行の日本の1.9GHz帯に関する規制の中では、海外モデルのAVXは使用できません。